NomuraESG

深化

JASON MORTIMER

運用部 債券グループ
債券サステナブル・インベストメント・ヘッド

2017年キャリア入社 経営学部卒

米国・ノースカロライナ州出身のモーティマーは、「日本で働きたい」という学生時代の夢を実現し、東京で金融キャリアをスタート。その後、香港、シンガポール、ロンドンで幅広く資産運用ビジネスの経験を積み、2017年に野村アセットマネジメントへ。ESGという観点をファンドの運用プロセスに組み込み、持続的に成長できる企業に投資してリターンの拡大を目指すという新たなチャレンジを開始した。

環境、社会、ガバナンス。
新たな視点で包括的に企業を評価

ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の略語です。企業がCO2の排出量削減など地球環境の問題、雇用や労働環境などの社会的な問題、適正に事業を行うよう組織をコントロールする企業統治の問題に、「どのように取り組んでいるか」を投資判断に組み込む考え方のことです。

2014年から3年間、私はロンドンで債券運用のポートフォリオマネージャーとして働きましたが、当時のヨーロッパでは、ESGの考え方が市場で幅広い支持を得ていました。このとき私は、「これからESGの潮流は必ず日本にも波及する」と確信。そして、日本最大の資産運用会社としてビジネスリソースの蓄積がある野村アセットマネジメントには、債券運用にESGを組み込むという新しいチャレンジができるチャンスがあると思ったのです。

ESGの要素を企業ごとに評価することで、これまで以上に包括的な投資判断ができるようになります。日本企業の評価において重視すべきESGの要素は、米国やヨーロッパ、中国の企業の場合とは多少異なります。一例を挙げると、日本の社会では、少子高齢化が進む中で女性の社会進出が進んできたという特徴があります。そこで、ESGの“Social”の要素として、女性の働きやすさを追求している企業を評価すべきでしょう。出産や子育てなどライフステージが変化する中で、多くの女性がキャリアを継続している企業は、そうではない企業と比べて、より持続的に成長できる企業であると評価できます。

毎日が新しいチャレンジの連続。
ESGの深化とともに自分も成長

資産運用ビジネスでは、これまで企業の財務情報については十分に分析・活用されてきました。そこで、財務情報の分析にプラスして、これまでは見えていなかったESGに関連する情報を定量的に分析する手法を確立することで、より長期的に成長する企業に投資することが可能となります。すでに私の所属する部門では、ESGの要素を投資判断に組み込んだファンドを組成・運用し、リスク調整後のリターンの拡大に貢献しています。

このような新しい挑戦ができるのも、野村アセットマネジメントには驚くほど自由な環境があり、多様な考え方をフェアに受け入れてくれるカルチャーがあるおかげだと感じています。ESGについての理解も深く、サポートしてくれる同僚がたくさんいます。恵まれた環境を活かし、自分の能力をフルに使って新しいことに挑戦できる充実感があります。毎日が勉強であり、新しいことをリサーチして自分の知識を向上させながら、ESGを運用プロセスに採り入れるためのさまざまな方法論から投資哲学まで、一つひとつの枠組みをつくり上げています。当社におけるESG運用の深化とともに、自分自身も新たな知見を得て、成長できるような感覚です。大きなやりがいを感じながら、何より仕事が面白いと感じています。

日本発のESGの基準をつくり、
世界の市場に発信していく

2011年に東日本大震災が起こったとき、私は香港にいてテレビで悲劇的な映像を見ていました。それでも津波で壊滅状態となった東北地方の道路が、短期間で部分的に修復されていったのをはっきり覚えています。その後、メディアでResilience(レジリエンス:回復する力、強靱化)という言葉が使われるようになり、注目していました。今日ではESGにおいても、「レジリエンス」は重要なキーワードです。例えば、大規模な自然災害の発生を想定して、企業がサプライチェーンのレジリエンスを高めるためにどのような対策を講じているのか、といった視点で投資判断ができるからです。

ESGを運用プロセスに採り入れていく中で、時代や社会の変容とともに次々に新しい基準が生まれます。私たちは資産運用会社として、市場やお客様に対して、「企業のどのような情報に注目すればいいのか」「どの企業に投資すればいいのか」といった分かりやすいメッセージを適切に示していかなければなりません。さらには世界を視野に、より多くの企業や投資家、市場関係者にESGに関する理解を深めてもらうために、ESGの要素を組み込んだ日本発のファンド運用をより深化させ、ESGを投資判断に組み込むことの価値、その正しい方法を発信し続けたいです。このような取り組みを積み重ねていけば、投資を通じて世界を少しでもよい方向に変えられるのではないかと思っています。

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