芯化

TAKESHI TOYOSHIMA

Managing Director & CEO
Nomura Asset Management
Singapore Limited

2008年キャリア入社 工学部卒

ノムラ・アセット・マネジメント・シンガポールのCEOを務める豊島は、もともとグループの証券会社に籍を置き、債券運用の世界でキャリアを積み重ねてきたバックグラウンドを持つ。拠点運営においては、社員一人ひとりにグローバルに通用するプロをめざす努力を求めながら、常にチームワークを追求して新しい価値を生み出す姿勢を重視している。

海外拠点で働く。
それは最前線に立つこと

シンガポールには、運用部門、営業部門、ビジネスマネジメント部門があり、組織全体で60名ほどの規模ながら、フルラインのサービスを提供しています。東京本社のビジネスをコンパクトにしてアジアで展開しているイメージです。

当社の海外拠点ネットワークの中でも重要な役割を持ち、東京を含む世界の拠点でアジアの株式や債券を始めとするプロダクトの運用ニーズがあれば、シンガポールから提供しています。一方で、アジア地域の機関投資家や金融機関などのお客様に向けて、東京やニューヨーク、ロンドンで運用しているプロダクトを提供しています。東京からの駐在員は15名、20代から50代まで幅広い経験年数の社員が各部門に配属されています。

当社の海外駐在に共通したことですが、いわゆる研修を目的としてシンガポールに来ている社員は基本的にいません。誰もがそれぞれの部門で最前線に立ち、アジアのビジネスをリードするという役割のもとに働いています。私自身は2018年の8月から拠点長を務めています。

マーケットの前では、
謙虚でなければならない

私の拠点経営のポリシーは、「初めに人ありき」に集約されます。まずは現状のメンバーが持てる能力を最大限に伸ばしていける環境を整え、一人ひとりの社員は質の高い仕事にチャレンジする。そして、人材の力によってシンガポールのビジネスを成長させていく、という考え方です。表現を変えると、アジアの中核拠点としての事業計画を積極的に推進しながらも、いたずらに組織の規模拡大を図ることには慎重になっています。

その理由は、前職でグループ証券会社のニューヨーク支店で管理職を務めていたとき、リーマンショックの影響で大規模な人員のリストラを進めなければならなかった経験があるからです。景気のよい時期に人材を増強することはできても、ビジネスが縮小したからと仲間に会社から去ってもらうことは本当につらく、痛みを伴います。

マーケットの動きによってプロダクトの価格が変動するビジネスには、世界規模の金融危機のように人の意思ではコントロールしきれない領域があります。だからこそ、この仕事を志す人材はマーケットと向き合うときに謙虚でなければならないと思います。その上で一人ひとりがグローバルに通用するプロとしてのスキルを高め続ける姿勢を持つことで、運用会社としてのビジネス拡大も可能になると考えているのです。

一人では限界があるが、
チームなら突破できる

かつて自分が債券運用でそれなりの実績を挙げていた頃、「自分はこの仕事で、かなりいい線まで行けるのでは?」と自信過剰になっていたことがありました。しかし、よく考えてみると自分一人でパフォーマンスが発揮できていた訳ではありません。そもそも世界のあらゆる債券取引の事前情報が集まると言われていた会社の環境があり、その恵まれた環境を活用できるチームの一員だから、自分の仕事も可能なのだと気がつきました。

チームワークの価値については、当社に転籍して新規プロダクトの組成に取り組んだときにも改めて実感しました。デリバティブ(金融派生商品)を組み込み、これまでにない利回りをめざすファンドをつくるため、社内の各部門から精鋭が集められたプロジェクトでした。私はプロダクト開発を統括する立場でしたが、ミーティングの度にメンバーの議論はヒートアップ。「こんなに激しく意見をぶつけ合って大丈夫なのか…」と少し心配になりました。今思えば、当社のフラットな組織文化の中で、誰もが「いいものをつくろう」とゴールを模索していただけでした。このときは半年ほどでプロダクトの骨格が完成し、新しいファンドはその後大きな成功を収めています。

このプロジェクトに集まったメンバーは、運用、営業、商品企画、リスク管理、コンプライアンス、ITインフラ、決済やドキュメンテーション担当などのメンバーです。あれほど議論を闘わせていたメンバー間にも強い仲間意識が生まれ、別の新規プロダクト開発で再びチームとして連携し、優れた結果を出しています。

「一人でできることより、チームが力を合わせてできることの方がはるかに大きい」。私の信念ともいえる事業哲学は、このような経験から培われました。

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