伸化

LI XIANG

企業調査部
エクイティアナリスト

2011年入社 Faculty of Mathematics卒

数学科で金融工学を学び、クオンツ運用に興味を持っていた李は、入社後、アナリストの仕事に対する意欲が高まり、企業価値を分析するプロの道を歩き始めた。中国語・英語・日本語を駆使して海外市場の動向をいち早くキャッチできるリサーチ力が強み。年間150本ほど執筆するアナリストレポートを通じ、オリジナリティのある投資アイデアの提供を積み重ねている。

自分が納得できるまで、
調査分析を追求できる面白さ

私たち資産運用会社のアナリストは、社内の運用担当者であるポートフォリオマネージャーの投資判断に役立ててもらう目的で、個別企業の業績・株価について予測レポートを作成します。販売機能を持つ証券会社のアナリストとは違い、株式のセールスを後押しするためのレポートではありませんので、自分が納得できるまで調査分析に時間を投入し、答えを出せる魅力があります。

企業への取材から収集した情報やその企業の経営・財務分析に基づき、最終的に今はこの企業の株式を買うべきではないと判断すれば、外の目を気にせずレポートの見出しに、「要注意。買うな!」と書くこともできます。純粋に企業分析を突き詰められる分、どこまで調べたらいいのか、業務に終わりがない大変さはあります。ただ、日々ケーススタディーができて、それが自身の判断力の向上に繋がっていく手応えのほうが大きいと感じています。

例えば、ある企業の経営戦略を分析して、「これではうまくいかないのでは…」と思ったとしたら、実際にその戦略が一年後、あるいは数年後にどのようなビジネス上の結果に繋がったかを確かめられます。自分の分析が正しかったのか間違っていたのか、リアルなビジネス推移の中で確認することができ、経験年数とともに応用の効く知識として身についていく面白さがあるのです。

二人の偉大なプロフェッショナルから学んだ、
キャリア形成のために大切なこと

これまでのキャリアを振り返ると、二人の上司から大切なことを学んだように思います。一人は、コミュニケーション力が高く、周囲のメンバーを巻き込みながら仕事を進めるのが上手で、誰もが一緒に仕事をしたくなるような方でした。チーム内だけでなく、他部署や社外の協働メンバーの気持ちにまできめ細かい配慮が行き届いていました。部門や組織を超えたチームワークの成果を高める上で、多くの気づきを与えてもらいました。また、社会人としてどのように行動すべきであるのか、とても重要なスタンスを教えていただいたと感じています。

もう一人は、現在所属する部門の上司で、アナリスト経験が30年近くあるプロフェッショナルです。アナリストレポートを通じて運用担当者に提供する投資アイデアの質が優れており、さらにその質を高めようとする努力を怠らない方です。どうしたら運用担当者に自身の投資アイデアがより伝わりやすくなるのか、常にレポートの構成や表現の工夫を重ねています。私はこれまで5年間、この上司から指導を受け、常にその豊富な知識と経験をできる限り吸収しようとしてきましたが、まだまだ学ばなければならないことは多いです。このようなプロフェッショナルの方々と一緒に仕事をする過程で学び、自身の成長に繋げていく、このような機会が社内に多く存在することが、新入社員や若手社員にとっては当社の魅力の一つなのではないかと感じています。

プロフェッショナルとして信頼関係を築くため、
投資アイデアの質を高め続ける

私たち資産運用会社には、投資家から巨額の資金をお預かりする機関投資家として、上場企業の経営が適正に行われているかを監視するという役割があります。このような活動をエンゲージメントといい、建設的な対話を通じて企業が中長期的に成長できるよう働きかけていくのです。私もこれまで担当業界で幅広く企業を取材してきた経験を活かし、今後は当社のエンゲージメント活動の場に積極的に参加したいと考えています。企業価値の向上に向けた他社の優れた取り組み事例などを的確に示しつつ、ビジネスの成長をテーマに経営者と有意義な議論ができるアナリストになれればと思っています。

また、社内のポートフォリオマネージャーから信頼されるアナリストを目指すことも、永遠の課題であり目標です。私の提供した投資アイデアが役に立ち、運用パフォーマンスに貢献できたのか。業界や市場動向に関する情報提供はタイムリーかつ的確であったかどうか。アナリストの仕事への評価は、常にはっきりと示されます。提供した投資アイデアが外れ、上がると予測した株価が下落し、運用担当者はもちろん、営業部門のメンバー、さらには最終顧客である投資家の方々にご迷惑をかけてしまう心苦しい経験もしています。そのような局面では、自分が何を見誤ったのかをはっきりさせ、きちんとそれを反省し、今後どうすべきなのか、次のより良い投資アイデアを提案することで信頼回復に努めるしかありません。

今後も継続して、企業の調査分析を徹底的に繰り返しながらケーススタディーを積み上げ、一人でも多くの経営者と対話を重ねていく経験を通して、独自の投資アイデアをタイムリーに提供できるプロフェッショナルを目指していきます。

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